霊能者はじめました。
すっかり更新が途絶えていましたね。
いやー仕事が肉体的にも精神的にも超ハードでして……。
もうね、仕事に疲れすぎて、ホームセンターに練炭を買いに行くレベルッすよ。練炭と一緒に七輪と目張り用のガムテープね。
そしたらレジのオバちゃんが恐る恐る聞いてくるわけだ。
オバちゃん「あのう、決まりになってまして、一応聞くんですが……。これ、なんに使われるんですか? まさか……」
俺はハッキリ言う。
松閣「バーベキューです!」
オバちゃんホッとする。
なんだ、勘ぐって悪いことをしたわ。こんな娘婿にしたいぐらいの眉目秀麗のイケてるメンズが『そんなこと』するワケないものね。
俺はホッとさせといてから、言う。
松閣「焼くのは俺の体だッ!!」
オバちゃん「ギャァァァァァーッ!」
というなかば冗談とも言いがたい冗談はさておき、本題行きます。
生霊って知ってますか?
ナマレイじゃないですよ。
飲み屋の「とりあえずナマで」、も違う。
ホテルで「今日はナマでいい日」とかも違います。大人の冗談とかやめて下さい。警察を呼びますよ。
なんだか、疲れてるのか、雑談チックな文章になりますねー。まぁ、たまにはいいでしょう。
さておき、生霊。
オカルト業界では生きた人間が飛ばす霊ってことになってます。
幽体離脱みたいなモンですかね。
先生あのね。今日ね、過酷な仕事から帰って来て、シャワー浴びて、パジャマに着替えて、ナイトキャップかぶって、布団に入って、携帯で下山事件について調べてたのね。
つまり至福の時間を過ごしてたのね。
そしたら、突然、電話がかかってきたの。知らない番号だけど、とりあえず出てみる――。
「松閣さん! H子の生霊が飛んできてるんです! なんとかしてください!」
もうね、何が何だかわからない。
間違い電話にしても、番号以外に色々と間違いすぎじゃあないか。
でも松閣という名を知っている。
謎の人物の正体は、電話番号を変えた友人Mだった。
では、生霊ってなんだ?
いやさ『生きてる人の霊』ってのは知っている。
問題は、なぜ俺が『なんとか』しなきゃならないか、だ。
俺、自分でも知らない間に霊能者になっていたのかしら?
でも、霊感なんてないし、地獄先生ぬーべーみたく霊をやっつける鬼の手もない。
お経も知らないし、お札もない。守護霊もいないし、スタンド使いでもない。
あるのは手作りオニギリだけ。
うまいケド、霊は倒せない。ホントうまいケド、塩は効いてるケド、アジシオだし。アジシオじゃきっと除霊できない。
詳しく話を聞くと、別れたカップルの痴情のもつれでした。
泥沼の果てに別れた2人の間で、霊能攻撃戦争になってるらしい。
電話をかけてきたMくん。彼と付き合ってたH子。2人とも俺の知人です。
Mくんの主張はこうだ。
Mくん「H子は俺に未練があって、俺の事を心の底から愛してるんです。でも、俺はもうあの女から逃げたいんです。だってサゲマンだから! ずっと前からわかってました!」
霊能者まつかく「ほう。サゲマンとな。あの女、可愛い顔して魔女なのか」
Mくん「あの女は人の人生を駄目にするんです。いまも生霊を飛ばして、俺が新しい女をたらし込むのを邪魔するんですよ」
霊能界の草分け 松閣「むう。ずっとついて来るって事かや?」
Mくん「俺の家に来るんです。生霊になって」
陰陽師 松閣「家に来るのはヤダなぁ。見られてたら色々と落ち着かない」
Mくん「そうでしょう、そうでしょう。体調も崩したし、悪い波動を感じます」
地獄先生 松閣「でも、それって、ホントにH子なんかや?」
Mくん「間違いありません。わかるんで。だから、やめるように松閣さんから言ってもらえません?」
松閣「えっと、なんで俺なんですか?」
Mくん「松閣さんなら、上手くやれますもん」
松閣「だって俺、坊さんでも牧師でも、キリストでもブッダでもアサハラでもないよ」」
Mくん「松閣さんなら、上手くやれますもん」
松閣「そうかなあ。俺なんかは、君が自分で言ったほうがいいと思うんだけれど」
Mくん「僕ね、いま、繋がっていい人としか繋がらないんです。電話」
※注釈※
Mくんいわく、なにがしかの悪い波動によって、通話の妨害を受けるらしい。
それも生霊のしわざだとすると、えらく情報通信技術に精通した霊だ。
これは、久々に手ごわい相手かもだぜ! アジシオ持ってこい!
Mくん「実際、生霊返しで、H子に生霊パワー倍返しにも出来るんですけど、大人げないし、それこそ泥沼でしょう?」
倍返し。
ファイナルファンタジーで言うところの、『リフレク』みたいなモンだろうか。
倍返しにされた生霊パワーを、さらにH子がリフレクしたら、さらに倍返しになるのだろうか。
それをさらにリフレクしたら?
なんとなく、人類の夢であるフリーエネルギーのヒントをもらったような気がする。
生霊パワーで家庭5000戸ぶんの電力を供給とか……霊って凄い!
Mくんの言うことにゃ、H子の生霊は、部屋を荒らしたり、家の前にゴミを置いたり、実害もあるそうだ。
なんだか、みみっちい霊能だが、まぁそれはいい。
ここまで読んで、「ご冗談でしょう、松閣さん。ここまで全て作り話でしょう?」
と思った方もおられると思う。
実話です。
種明かしとして、ハッキリ言えば、Mくんは病んでいる。
病んでいるし、良くないハーブや良くない薬の影響もある。
良くないお薬に「どうかな」という反応をした俺に、「ドラッグこそ悟りを開く最短コース」と断言した男でもあり、ここ数年で精神世界にドップリの人でもある。
しかし、なぜか信頼を寄せてくれてるみたいで、ムゲにも出来ない。
俺は、生霊の除霊を引き受けてしまった。
Mの名を伏せて、生霊飛ばしをやめさせる――。そんな難しい案件だ。
よーし、お兄さん頑張っちゃうぞー。
俺はH子に電話をかけた。
なんだか頼りない呼び出し音のあと、留守電に飛ばされた。
悪い波動のせいか?
俺はめげずに留守録を入れる。
「あのー。お久しぶりの松閣っすけど、とある人から依頼を受けて、電話しました。あのですね。生霊飛ばすのやめてあげてください。本人、嫌がってます」
なんだか情けない。我ながら、上手くやれなかったと思う。
なんか、落ち込む。
すると、しばらくしてH子から電話。
H子「『ある人』ってMやろ!」
プロとして、依頼人の名はあかせない。
黙る松閣に女はまくし立てた。
H子「生霊とか、そういうこと言うのMしかおらん!」
この女、なかなか鋭い。だが俺はあくまで依頼人の名は伏せた。プロだからだ。
松閣「依頼人はとても迷惑してらっしゃいます。悟りを開いて、復讐心や……えーっと、執着心? そういうのを無にすれば生霊は飛ばないといってました。もう、充分でしょう、無益な霊能攻撃はおやめなさい」
H子「生霊とかあるワケないやん! 関係断ちたいのはこっちのほう!」
やれやれ。と俺はプロながらボンヤリ思う。しかし、生霊飛ばしは良くない。俺は断固として仕事に生きる。
松閣「なんか、Mの事を考えたり、思ったりしただけで生霊がバヒューって飛ぶらしいから、『俺のことは一切忘れてくれ!』って依頼人はおっしゃってました」
H子「いま『M』って言った!」
松閣「そら耳でしょう」
H子「忘れたいのはコッチのほう! もう関わりたくないの! だいたい、なんでそんなことを松閣が電話して来るん? 本人が自分で言えばいいやん!」
松閣「悪い波動のせいで、通話が妨害されるらしいのです。貴女の悪い波動で、ね」
H子「アホくさ!」
松閣「では生霊飛ばしと、悪い波動攻撃はやめてくれますね?」
H子「はいはい」
H子サイドも大変みたいだ。ご愁傷様とはこう言う時にこそ使うのかも知れない。
ともかく、仕事は終わった。これで平和が訪れるだろう。今回もいい仕事が出来たと思う。
しっかし、生霊とかあるのだろうか?
興味本位でネット検索してみたら、『元恋人に生霊攻撃されてる』ちゅう相談が沢山あってワロタ。生霊飛びすぎw
なんか、オモイビトなり憎い人のとこへ無意識のうちに生霊って飛んじゃうんですって。
じゃあジャニタレとか毎日生霊地獄じゃね?
こんなもの、ありえない。
実に非科学的である。
ハッキリ言おう。生霊なんて、ない。
だって、ジャニタレ以上に愛されてるはずなのに、俺のとこには誰の生霊も来ない。これが証拠だ。コレが科学だ。じゃなきゃ、世の中間違ってる。
フリーエネルギーww
結構本気でいい案だなと思ってしまいました
ゴーストバスター松閣さんは知らないかもしれませんが
私はよく松閣さん宅に生き霊とばしてますよ
そして寝顔を湿った目線で堪能したあと普通に玄関から帰ってます ペロ
>>蘭さん
まさか来ていたとは知りませんでしたw
しかし、僕はヒンパンに幽体離脱的なことをしているハズなので、実際に蘭さんが会っているのは抜け殻の松閣でしょうね。
中身は街をうろついていますヽ(。_°)ノ