遠くへ行きたいと思い、旅に出る。
でも離れたかったのは自分の体からだったと気付く。
長らく更新をサボってすいません。
まぁ、オルタイムの読者は10名にも満たないんでしょうが、とにかくすいませんでした。吸うか吸わないかといわれたら、吸いません。
世間様、読者様には公表してませんでしたが、実は6月いっぱいで退職しました。
もうね、疲れたんだよ。ブラックな珈琲にも企業にも。
企業も珈琲も人生も、甘い方が良い。
甘い現実に浸って、砂糖菓子のような夢を見ていたい。
こういうのを社会不適合者というんでしょうね。ギザテヘペロンヌ。
とはいえ次の仕事は決まってるんで、短い無職ライフです。つぎは身内の経営する会社なんで、超ブラックではないと信じたい。
というわけで、俺は旅に出た。
向かう先は北の大地、北海道。夏の北海道。
むろん、屈斜路湖のクッシーを保護するためだ。
近年、ぜんぜん目撃情報が無くて、絶滅が危惧される幻のUMAクッシー。救うのは俺しかいないわけです。
しかし、俺は飛行機に乗ったことがない。
空港に来たのは良いが、金属探知機みたいので調べられるらしい。
SWATよりも重装備で旅にのぞんでいた松閣は、ここで丸裸にされることになる。
旅行鞄を開かれて、100円ライター8個を没取された。
「あと5個ありますね」
とか、あのレントゲン検査? みたいのは精度抜群である。
結局、機内持ち込みを許された1個をのぞき、全て没収。
性格のよろしくない松閣は、ライター1個持ち込めるならテロは可能じゃないかと、シナリオを考える。
チョーカーも駄目、ベルトのバックルも駄目。デジカメも駄目。無職だから駄目。社会不適合者だから駄目。
さんざん社会的に否定されましたが、なんとかすり抜ける事に成功。
やつら、俺自身がサイボーグという事には気がつかなかったらしい。ぬるいぜ。
そして、生まれて初めて俺は地表から離れました。
感慨は少ない。
隣に座ったおばさんが、延々とおにぎり食ってたのが何よりのプレッシャーでした。
2個、3個。4個5個……。6個7個……。
かくして松閣は機上の人。
遠く、異境の地に松閣。
それでも小説を更新しているのはほとんど意地なのです。
次回は北海道紀行をお送りします。