松閣と終わらない旅 4

故郷を遠く離れて、土地は椅子なんだと気付く。
どこへ行っても座るだけ。違いは一つ。普通の椅子か、電気椅子か。



更新が遅くなりました。松閣です。
モバスペに偽名仮名を引っ越しましたが、あまり反応がありません。読者層の違いかな。

ともかく、前回予告していた北海道紀行をお送りしたいと思います。

北海道に到着して、松閣はまずエゾシカを見た。


おお、すげえ！
さすが北海道だ！

などと騙されてはいけません。これは彫像です。
よくよく見れば最近の小学生より目が死んでます。

到着してまず思う。寒い。

関西は半袖でも人死にが出るほどの猛暑だと言うに、北海道釧路は肌寒い。
半袖で降り立った僕を、生粋の道民たちは見下したに違いない。

「ふん、ママン。見てごらんよあの田舎っぺいをさ。７月というのに半袖だよ」

「そうね、息子。きっとあれは社会不適合者のウンコマンよ。ああけがらわしい。無職が！」

などと思っているに違いない白眼視。これが僕が北海道で初めて受けた歓迎だった。奥さん、言い過ぎじゃないですかね。



だが景色は優しい。
テレビCMでみた北海道そのまんまだ。
草原を吹き抜けてきた風が、冷たく、柔らかくウンコマンを包む。


道も凄まじい。

 

ちなみに、北海道についての豆知識を得たので披露しておく。
僕が調査した結果、ホワイトデーやらなんやらで消費されるマシュマロというモノは、主に北海道で生産されるようだ。
牧場に放し飼いにされたマシュマロは、あおい草をモリモリ食べて、重量にして３００キログラムほどに育つ。
そして大きくなったマシュマロは殺され、ホワイトデーに向けて出荷を待つ。

下は収穫されたマシュマロ群だ。



とにかくデカい。
あの一粒で常人の生涯マショマロ消費量をゆうに越えるに違いない。あのデカマシュマロの中に小マシュマロがウジャウジャいて、農家の方々が内臓を裂いて小マシュマロを取り出すんだろうね。
今年は豊作だ。

嘘ですが。

一番テンションが上がったのはやっぱ牛ですかね。
もうね、道路のわきにウジャウジャいます。


一頭こっち見てるでしょ？
コイツ、５分ぐらいじっと僕を見つめてきてました。

最初は色目を使われてるのかな、と不快に思いました。誘ってやがる！と。
でも、途中から何かを訴えかけて来ているんじゃないかと思いました。

きっと、テレパシーで何かを伝えようとしてきていたんでしょうが、僕にはテレパシーもないし、牛の話なんて聞きたくもないので無視しました。
どうせ『無職が！　気分悪いわ！』とかでしょうし。

でも、僕は牛が好きです。
こいつらって、すごいっすよ。
草食って、牛乳ひりだして、糞をして、糞が土に帰って栄養になって、その土が牧草を育てて、って凄まじい循環生物ですよ。エコですよ。

僕は不安になります。牛といえば、アレだからです。
いまにも、いまにもUFOが飛んできて……


これがキャトルミューティレーションだ！

やっぱ宇宙人も牛が欲しいんでしょうね。

コイツら……。宇宙人に狙われてるとも知らず、アホみたく草食って……。

でもまぁ、沢山いるし、いいか。
何もかもがデカい北海道では、そんなふうに宇宙人による家畜誘拐にもおおらかな気持ちになれます。どうせ俺の牛じゃねぇし。

次回に続く。