主よ、俺の望みと喜びよ 7

神を信じなさい、と信者は言う。
神が僕に何をした? と僕は言う。
試練を与えてくださる、と信者は言う。
試練なら間に合ってます、と僕は言う。



松閣です。
北海道紀行3をアップしようかと思いましたが、前回エントリーのコメント欄で宗教勧誘についてテロメアさんが触れていたので触発されました。
今回は『松閣 VS 宗教』について書きたいと思います。
北海道紀行は次回に。
書くネタがあるのは良いことですね。

神なんていない、と今まで何度も思うことがありました。
弱者の立場にはいつも悲劇が襲って、強者はいつも笑っている。『悲劇は人を強くする』などと聞くが、その『強さ』とは決して立場の事を指すのではない。心が強くなろうがタフになろうが結局、弱者の地位は変わらず、次の悲劇におびえる日々。
『痛みは最初のうちだけ 慣れてしまえば大丈夫。そんなこと言えるアナタは ヒットラーにもなれるだろう』
とブルーハーツが歌ってましたね。強者の理屈というのは残酷なものです。

その強者ピラミッドの頂点にいるのが神じゃないか。僕は思います。
キング・オブ・強者が神。

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こう考えると、勃興したばかりの宗教が多くの場合貧困層をターゲットにするのも理屈にかなっているわけです。ピラミッドを建てるには大きな土台が必要ですからね。
……なんだか宗教論みたくなってきたので方向修正します。

宗教アレルギーってわけでもないですが、僕は宗教家と相性が悪い。
特に宗教勧誘に否定的だ。世界をよくしたいなら、勧誘して信者数を増やすより、もっとやるべき事があるだろう。なにかしら『世界を救う善行』を行った結果、信者が増えるなら良し。口頭ではなく、行動で示すべし、とオルタイム編集部は考えるのです。だいたい親の影響で『生まれた時から○○教』ってのは虐待じゃないかとまで思う。

こんな事をガキのころから考えてました。

以下以前の日記から引っ張ってきた文章。

――――

あるとき、中学時代、僕が仲間との溜まり場だった路地裏に向かってる際、柳原可奈子によく似たオバさんに呼び止められた。
てっきりショタ趣味の貴腐人が、いたいけな美少年中学生を……と思ったんですが、彼女の第一声は

「祈らせて下さい」

世間知らずだった松閣少年は考えた。

「ああ、しまった。おれ偉大すぎて、知らない間に神にまでなっちまった。あえて言おう、キリストとかショボイ。ブッダ? ふふん」

そりゃあ断りましたよ。信者とか俺には必要ない。後の世で崇拝されてこそ本物ですからね。
でもオバちゃん粘ったねぇ。しつこいので、崇拝させてあげることにした。

オバちゃん俺に目を閉じさせて、手をかざした。数分の時間が過ぎたと思う。
俺に言わせりゃ、手をかざすのは俺の役目だと言いたかったが黙っていました。

中年柳原「どうでしたか?」

少年松閣「どうって? 何がっすか」

中年柳原「何か感じましたか?」

少年松閣「だるくなりました。あと頭も痛いし、腹も減りました。コーヒー牛乳が飲みたいです」

中年柳原「それはね、貴方の血が汚れているからですよ」

い、言うに事欠いて このババァ! 神に対して失敬な!
でも堪える少年松閣。当時から批判には慣れっこでした。

少年松閣「僕の血は汚れているんですか? でも、なんか格好いいですね呪われた血って。ジョジョのDIOみたいで。知ってますか? ジョジョ」

中年柳原「格好よくないですよ。あのね、悪い血だから浄化し……」

少年松閣「悪の方がいいです。正義ってダサイっすよ! 戦隊モノとかでも怪人一人に対して、5人で襲いかかるんですよ? 正義って、勝つためならなんでも許されるんですか? 卑怯っす。怪人の方が男らしいっすよ。……で、知ってるんですか?ジョジョ」

中年柳原「そういう話じゃなくてね」

少年松閣「大事な話ですよ。僕の血が汚れてるっていうのは、結局正義がショボイからじゃないんですか。多対一でボコられる怪人に同情する僕の気持ちは正義じゃないんですか? で知ってますか? ジョジョの奇妙な冒険」

中年柳原「……もういい!」

議論を捨てて去ろうとする柳原の背中に、少年松閣はトドメの言葉を浴びせかけた。

少年松閣「知ってるんですか? ジョジョ! 読んでね!」

後に調べたところ、彼女は県内で精力的な活動を続けていた某宗教の勧誘員だったようだ。
なんだよ! 話が違う!
俺の信者じゃ無いのかよ!

どうも教団内部で、跡継ぎについてのお家騒動があったらしく、現在では複数に分裂しているらしい。
柳原は、どの勢力に帰属したのだろうか。
あのとき、ちゃんと僕が導いてあげるべきだったと、今でも悔やまれます。
ジョジョ読んだかなぁ……。

――――

とまぁ、中学の時から反権力志向が強かった。ガキのしょうもない詭弁ぐらいは論破してもらいたいモンです。
ちなみにその教団、まだありますwwシブトスwwもういっかいディベートの続きをやりに行こうかw

大人になってからも勧誘は来る。
以前、とある店の責任者をやっていたとき、カウンター内に宗教パンフレットを発見した。
新人君になんだこれはと聞いたら、宗教勧誘が置いていったという。俺の知らないところで結構来ているのだと。

もうね、職場までこられちゃ、たまんねぇ。ここでは神も仏もねぇ、お客様が神様なんだぞ、と。
新人君、なんだか粘られて聖書まで渡されていた。それもその団体が発行した聖書だ。

――なんとかしないと。松閣は考える。
新人君が勧誘を受けている数十分、この新人君には給料が発生しているのだ。これは店にとって重大な損失で責任者として看過できない。
松閣はパンフを全て読み、聖書と照らし合わせ、赤字で注釈を書き込み、次の襲撃にそなえた。

一ヶ月ぐらいした頃かな。また奴らがやって来た。
「松閣さん! やつらが来ましたぜ!」

「俺にまかせろ!」

で、対決ですよ。

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俺が書き込んだ赤字の注釈を見せて、一つ一つに回答をもらう。
「ここでパンフには奇跡を信じろ、神の力を信じろと書かれてます」

「はい」

「正しき者は天国に導かれると」

「はい。信じるものには」

「それはすごい。信じたくなるな。じゃあ、例えば……正しき人がいる。このパンフに書かれている『善き行い』を全て自主的に行っている人。完璧な善人で、天使だって疎むぐらいの聖人君子です」

「はい」

「その人は余命数ヶ月とする。だが、その人はあなた方の神を信じていない。この人に奇跡は訪れますか? あるいは天国へ行けますか?」

「どうでしょう。信仰心がないから……」

「神を信じていない者には奇跡は訪れない? どんなに完璧な善人であっても、アナタたちの教義を完璧に実行していてもダメ? それは余りにも狭量じゃないかな。神を信じていない時点で、その人は僕みたいな不信心者と同じ待遇にされるって事でしょう? あなた方の神は自分の『身内』しか助けないんですか?」

「いえ。本当の善人ならば、神は救ってくださるでしょう」

「じゃあ、教団の存在意義は? 属さなくても天国へ行けるなら、あなた方の教団に属す必要がない」

「教団に入ることによって啓蒙がさらに進み、正しき行いから外れないようにできます」

「教団の外に出ると悪行に身を染めると?」

「そういうこともあるでしょう。集団でいることでお互い学び合うこともできます」

「このパンフに……ここに人を信じよと書かれています。信じてなくないっすか、正しくあろうとする人の心を。あなた方のそれは啓蒙じゃなく、監視じゃないかと思う」

延々と論理を飛躍させたり、詭弁をろうしたり。こんな話を続けて、やがて勧誘オバサンたちは苛立ってきた。苛立ち、不機嫌になり、やがて「もういい! 疑い深い人!」

いまにして思えば多少、大人げなかったかと思うが、でも楽しかった。
疑い深いのは認めるが、俺みたいな不信心者を改心させるのが真の聖職者だと思ったりもする。
神の存在を信じるのは自由で、ソレを否定なんかしないが、その裏返しで神を信じない者を否定しないで欲しいな。まぁ、どうせ神なんていてもいなくても我々の世界に介入してこない。良くも悪くもね。
不信心者として言わせてもらえば、介入している、と信じた人たちが有史以来どれほどの血を流したのか。

なんだかグダグダになってきた。何が言いたいのかよくわからん。

次に勧誘が来たときにはこんな質問をしてみようと思う。

『世の中、いろんな神が氾濫していてどれを信じれば良いのかわからない』

『なんで、どの神も友愛だの宥和の美徳をとくのに、自分たち、神同士は仲良くしないんですか?』

『いっそのこと、戦争でもして、神業界のナンバーワンを決めたらどうですか』

『なぜ僕も神なのに、僕の言うことを信じようとしないのですか』と。

7 thoughts on “主よ、俺の望みと喜びよ

  1. Reply テロメア 8月 17,2013 8:35 PM

    話題を拾って頂けて有り難いですww
    宗教勧誘の人を論破するのは楽しい(笑)
    「身内だけを救う奴はは神ではなく只の”有力者”であり、中身は其処らの人間と何ら変わり無い。そんなのの為に牛崇めるだの断食だのやってられるか。私は肉が食べたい。ロースが食べたい。カルビでもいいけど。美味しい焼肉屋さん御存知ですか?」
    と前に来た勧誘の人に言ったら(゚Д゚)←こんなカオされました。酷い。
    随分とアイロニカルな事ではありますが歴史において神の存在故に人々が血を流したことがあったのは事実で、友好や平和を説く神は一体何を感じながらその様を見ていたのか訊いてみたいものです。
    あと松閣さんは中学生の時、柳原似のその人に「君がッ!答えるまでッ!質問するのをやめないッ!」とか言うべきでしたww

  2. Reply まつかく 8月 18,2013 7:16 PM

    (゚Д゚)←こんなカオ、ワロタ。
    けっこう普段はぼーっとしてるので、勧誘する側からみたら俺は絶好のカモに映るのカモですね。それをカウンターでゴキャっと。つまり「かかったな、アホが」ですよ。
    第1部の台詞回しは最高ッすねw

  3. Reply 鈴木 8月 19,2013 12:24 AM

    わたしも、まつかくさんとか
    テロメアさんみたいに
    口説けたらなぁ、、
    こんなセリフが言えたらな
    と、にやにやしながら読んでます

    ジョジョ読めばなれますかね?_・)チラ

    まつかくさんの幼少時代のお話も
    楽しいです!もっともっと!

  4. Reply ジン 8月 19,2013 12:33 AM

    さすが松閣さん!
    おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
    そこにシビれる!
    あこがれるゥ!

  5. Reply まつかく 8月 19,2013 6:28 PM

    >>鈴木さん
    戦うのは簡単っすよー
    普段感じている疑問を全部ぶつけてやればいいのです。
    経験上、勧誘員ではぼやかすだけでこちらの満足できる回答をだせませんw

    >>ジンさん
    松閣「おれの名は松閣」
    テオメラ「テオメラ」
    鈴木「鈴木」
    ジン「ジン」
    全員「血管針攻撃!」

  6. Reply テロメア 8月 19,2013 9:39 PM

    テオメラってなんすか松さんww不覚にも吹きましたww舌足らずかww

  7. Reply まつかく 8月 20,2013 3:01 AM

    すんませんwww素で間違えました。ごめんなさい

    そういやリンキンのアルバムもテオメラと言ってて恥を掻いたw
    ちなみにグロテスクをグロテクスとも

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