旅先でも戦う。俺、男だから。 4

なんか足りないと思ってたら、それはチャレンジャースピリッツだった。
飛ばない豚はただの豚で、考えない葦はただの草。よくわからないけど、きっとそう。




またfunctions.phpでバグって、3時間ほどブログがダウンしてました。

北海道紀行第三弾。

なんか、北海道に来て、クッシー探すだけなんてアホみたいなので俺は釣りをすることにしました。
こう書くと釣り人っぽくて格好いいですが、実のところ釣りなんて小学生のころ以来です。
釣りやってると、釣ってんのか釣られてんのか、よくわかんなくなるんすよね。

でも俺も良い大人なんで、そろそろ釣りの良さに目覚めてもいいと思うんすよ。
太公望だって釣りが好きだった。思索に耽る大人にぴったりの娯楽なワケですよ。
まぁ、キム・ジョンイルもやるらしいが……。

ともかく、俺は北海道の大自然で釣りをすることにした。
狙うはやはり鮭。やっぱ男なら鮭だよ鮭。

もうね、そりゃあ地元の漁協が文句言ってくるぐらいにバッチャバッチャと釣りまくりっすよ。もうキログラム級じゃなくトン級の魚をバッチャバッチャと。

fish

計画全容図



完璧な計画である。

といわけで釣り道具を購入しました。

DSCN0138[1]_mini
これがアルティマセット165だ!


ホームセンターで950円で売ってました。すげぇ安っぽい作りで、立派なのは名前だけのような気がしますが、まぁプロは道具にこだわらないと聞きます。ようは腕、腕。

ついでに以下の物も釣りのために用意しました。

DSCN0139[1]_mini
これが松閣フィッシングギミックだ!

右端の唐揚げはセイコーマートで買いました。これは魚用じゃなく、松閣用です。

んで、情報を集めたらダムで魚が釣れると知りました。
ちゅうわけでダムに向かいます。
しかし、セイコーマートで塩を買うのを忘れる。これにはがっかりだ。せっかく塩焼きにしてやろうと思ってたのに……。

そしてダムに到着。
damu

なんか、思ってたんと違ーう!
もっとこう、コンクリートがビシーっとあって水がじゃばーってあって、それがダムだ、ダムのはずだ。

これでは草むらが酷すぎて湖に近づけない。

だけど、俺は行きましたね。俺、男だから。

腰まである熊笹みたいな植物を踏み分けて、俺は進みました。
damu2

上の写真で見れば、たいしたことないように見えるけれど、この雑草の表層がちょうど俺の腰ぐらいです。
踏み分けて進むも、足元は見えず、羽虫が飛び回る。

ちょっと進んだら、湖が見えました。
だが全体が湿地帯のようになっていて、前に進めない。

それでも前進してたら、湿地帯で玄人釣り人っぽいオジサンと遭遇しました。
彼は重装備で、腰まである長靴みたいなのをはいていました。そのうえレジャーシートを湿地の上に敷いて、ぬかるみ対策にも余念がない。

「に、兄ちゃん、バードウォッチングか!?」

コンビニに行くようなラフな格好で現れた俺に、オジサンは驚愕の表情でした。
無理もない。きっとここを訪れる釣り人は、基本的に重装備なのに違いないのです。つまりオジサンは俺の格好を見て、脳天気に鳥の観察に来たバードウォッチャーだと判断したのです。
さっき買った釣り具入れてるのもセイコーマートの袋だし。バードウォッチャーにしても軽装すぎますが、オジサンに罪はない。

俺は正直に『釣りです』と答えようとして、くちごもりました。
なんだか、この格好で『釣りに来た』なんて言ったら、笑われるかも、と恥じたのです。無職でも松閣家の男児です。そんな家名を貶めるようなことは許されないのです。
俺は言いました。

「観光です」

オッサンは、なおさら驚愕しました、

「いや、観光って、アンタ。ここ何も見るもの……」

「ダムは!」俺は語気を荒くしました。「ダムはどこでしょうか!」

「いや、ダムはここもダムだけどさ」

「もっと、コンクリートがビシーで、水がじゃばーのダムです!」

「いや、それなら、土手を上がってずーっと進んでいったら着くとは思うけどさ」

「感謝します。サヨナラ」

再び草を踏み分けて土手へ向かって進みました。オジサンの「気をつけなよ」の声が背中にいたかった……。でも松田家の男児は振り返りません。振り返ったら、泣いちゃうから。

んで10分ぐらい無の心で進み続けたら、ようやく土手に到着。

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アッー!
俺のアディダスがーッ!

さすがに湿地帯の散策用には作られていないみたいでした。

 

damu4
土手の上は広々とした牧場になってましたね。なんだか霧まで出てきて、不穏な雰囲気。

不安を煽るように霧がどんどん濃くなってゆく。
なんせ霧が濃すぎて、ダム湖が見えない。

それでも松閣は進みました。

20分以上は土手沿いを歩きましたね。もうね、延々と牧場で、なにもない。すごく静かで、視界は狭く……。

 

そこで、ハッと気がついて、ゾッと怖くなりました。

おれ、牛と間違われて、UFOに誘拐されたらどうしよう!

 

abduct

サヨナラ地球……。
いままでおいしい空気をありがとう……。

誘拐される前に、記念写真を撮っておこうと思い、デジカメいじってたら、なんとGPS機能がついている事に気がつきました。さすがcoolpixです。

んでGPSで地図見てみたら、ダム湖からめっちゃ離れていました。もうね、湖3倍ぶんぐらい離れてるの。

あのオッサンは、きっと誤情報を俺にもたらしたのです。たぶん、オッサンもガチダムまでは行ったことがないのでしょう。知ったかぶりめ! でもオッサンに罪はありません。信じた俺が愚かだったのです。

――うん、無理。
俺は諦めました。

松閣家の男児は諦めも早いのです。俺は帰りました。

もう二度と釣りなんてしない。と思いましたが、よくよく考えたら、釣りさえもしてない。
アルティマセット165は梱包すら解いていない。

魚はスーパーで買うもの。たとえここが北海道でも。
俺が言えるのは……それだけです。

 

4 thoughts on “旅先でも戦う。俺、男だから。

  1. Reply テロメア 8月 21,2013 9:41 PM

    私は貴方様の絵がとても好きです、毎回笑ってしまう。
    北海道は冬に行ったことがあります。船に乗って流氷を砕きながらオホーツク海を進んだ思い出が。それと美味しい鍋をつつきました。

    それはそうと松閣さん、今日は月がとても美しいですよ。

  2. Reply まつかく 8月 22,2013 8:35 PM

    5分ほどで描いた稚拙な絵ですが、気に入って頂けたならよかったですww

    月はいいですね。太陽よりも月の方が好きで、昼間よりも夜の方が好きです∠( ゚д゚)

  3. Reply 鈴木 9月 14,2013 9:33 PM

    オルタイムの更新もすごく
    楽しみにしてるんです|-・`)チラッ

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