還らざる時の終わりに 4

行動しよう。前を向こう。戦おう。精一杯やろう。やれるだけ、やってみよう――もし、それが報われるなら。


じつは俺、超絶インドア派でして、休みの日はほとんど外に出ない。ラーメン食いに行くとか、タバコ買いに行く程度の外出でも決断にかなりの時間を要する。

だって、雨戸を閉めて、真っ暗な部屋が過ごしやすいんだもの。明かりは卓上ライトだけで充分。内向的というか、陰性植物みたいな感じです。厨二病っぽくいうなら闇の住人ヴァンピールといったところ。

しかし、明治時代の新聞記事を調べる必要があって、外出せねばならない。それも、かなりの遠出。
俺は2週間悩みました。行くべきか、いや、他に手はないのか。ないか。いやしかし……。

悩みに悩んだあげく、俺は上京することにした。
向かう先は国会図書館。データヲタクが最後に辿り着く場所、国会図書館。資料の天国で、資料の墓場。
国内で発行された書籍やら、雑誌やらがほぼ全て収められている。

関西に住んでた時はさすがに遠すぎて行けなかったけれど、いま俺は少しだけ近い場所にいる。
自宅から国会図書館まで、車で1時間半。電車で2時間半。

首都高恐怖症の俺は、情けなくも電車で行くことにした。

そして、人ごみに怯えながら電車に揺られ東京へ。

なんだか、昔のV系バンドが「TOKYO! 狂った街ぃ」って歌ってたので、怖い。

俺のような田舎者は、そのカッペっぷりがばれた瞬間に身ぐるみ剥がされて路地裏に転がされるに違いない。そんで、中国マフィアに捕まって、クスリでどうにかされて、船に乗せられて中国へと連れ去られて、両手足を切断されて、見せ物小屋に売られるんでしょうね。
そんで洒落にならない怖い話だのなんだののまとめサイトで都市伝説化するんすわ。
ああ、恐るべき狂った街。

しかし、男として戦わねばならん時がある。たとえば、今日だ。

俺は電車に揺られ東京へ。
田舎者とばれないよう、なるべくキョロキョロしないようにする。

そうして苦節、二時間半。
生まれて初めて国会議事堂を目の当たりにする。
ああ、ここが腐敗の中枢なのですね。なんだか長い警棒を持った警察官がワラワラいます。腐敗した権力を守るために、良心を捨て去って半ばロボットと化した権力の犬たち。

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目前にしてみると、なんだか、感慨深い。
ここで歴史が作られてきたのですね。
長い旅をしてきた甲斐があったというモノです。

そして、その横に旅の終着点があった。
夢にまで見た国会図書館。俺の黄金郷。

いろいろあったケド、来て良かった。今はそう思う。
悩み抜いて出した結論だけど、間違ってなかった。今はそう思う。

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きたよ、とうとう来たんだ。パトラッシュ。
長い旅だったね、パトラッシュ。
でも、僕たちはたどりついたんだ。

じゃあ、入ろうかパトラッシュ。

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4 thoughts on “還らざる時の終わりに

  1. Reply あい 3月 13,2014 12:06 AM

    ついてないな休館日やん、めちゃ笑わしてもらいま

    したわ(笑)

    • Reply まつかく 3月 13,2014 6:44 AM

      あいさん>>
      日曜日に図書館が閉まるような渇いた時代になってしまったのです。
      今週末、もう一度アタックをかけますわw

  2. Reply 3月 16,2014 11:58 AM

    これは立ち直れない…

    TOKYOって怖いですね

    • Reply まつかく 3月 16,2014 8:49 PM

      >>蘭さん
      狂った街ですよ、本当に……。
      ソドムとゴモラの悪徳を足したってTOKYOには勝てないでしょう。神はなにをやってるんだ。

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