キツネとタヌキと人間と 4


キツネが人間を騙さなくなって久しい。

 

久々に更新。
別にサボってたわけじゃありません。これはサボってるふりなのです。つまりは擬態。騙されなかった貴方は頭の良い方だ。さすがです。

 


騙す、といえば職場の駐車場にタヌキが出るんです。メタボなやつと、ちっちゃいやつ。親子なのか。
んで、ふと思ったんですが、狐やタヌキってなんで人間を騙すのをやめたのだろう。

 

 

一昔前まではやれ饅頭だと思ったら泥団子だった馬糞だった。やれ美人だとおもって助けたら、いつの間にか地蔵に変わってた――。そんな事例が新聞にまで載ってたのですよ。まぁ新聞と言っても瓦版と呼ばれるような古式ゆかしいメディアですが。

 

俺はくやしい。
こんな時代に生まれて悔しい。

俺だってキツネやタヌキに騙されたい。
なんでアイツらは最近やる気を失ってるのか。
騙せよ、もっと騙せよ! 俺を騙してニンマリしろよ!
そんで、俺は頭を掻きながら「おんや、こりゃあいけね。騙されちまったか?」と、のどかな感じに気がつきたい!

 

 

最近騙してくるのは2つの組織、犯罪集団と政府ばかりじゃないか。
あ、2つとも似たようなもんなので1つですね。すいません。

 

昭和初期までは、『偽汽車』ちゅうのがありましてですね、汽車の走ってないはずの時間に汽車が走ってたりするんですよ。走ってない時間に走ってるというのはちょっと矛盾してますが何だか怪現象的な状況があったのですよ。


しまいには、ダイヤと関係なくに汽車が走ってきて、正規のダイヤ通りに走ってる汽車と正面衝突する事態もあったそうです。

しかし、正面衝突したのに、正規汽車のほうは無傷。急ブレーキをかけたせいで乗客の紳士淑女がてんやわんやしたぐらい。「これは失礼しました、レディ」「いえ、こちらこそはしたなくて恥ずかしいわ」こんな程度のもの。

こりゃあ、なんだべな、と運転手が車両から降り、周囲を確認するとタヌキが死んでいたりする。タヌキが汽車に化けて遊んでいたのだ。
この偽汽車は日本全国で目撃されたそうな。

 

 

それが今日では、目撃報告の一件もない。これはさみしい。

なんでかな、と仕事中に考えてたらひらめいた。
機関車が電気になったからじゃないのか?

 

蒸気機関車ならまだしも、電気機関車というものは上部にパンタグラフがあって、そこから電力を供給している。
タヌキが電気機関車に化けたらパンタグラフが高電圧に触れて感電死してしまう。これだ!


とか考えたんですけれども、なんかすっきりしない。

『ねぇ、松閣さん。そもそも化ける能力が最初からないんじゃね?』

とかいう声も聞こえてきそうですが、それは瓦版の記者に失礼ですのでオルタイムとしましては『能力はある』という立ち位置を貫きます。だって女だって化けるじゃないか――などというのは冗談ですが。

 

 

最近は子供ですら『ふふん。幽霊なんていないさ、松閣さん。あんなものは非科学的さ』という時代なのでさみしい限りです。幽霊はいないが、UFOはある。
一部には人間が不思議なものを見る能力を失ったという説もあるそうですが、それは進化なのか退化なのか。


いまごろ、人里離れた山の奥では狐とタヌキの化かし合いが行われてるのかも知れませんね。人間が気がつかなくなってから、彼らはそうやって遊んでいるのかも知れません。
まぁ、キツネやタヌキに頼らなくても、人間は人間同士の騙し合いに食傷ぎみで『もう充分!』なのかも知れません。

ふと、タヌキ汁を食べてみたくなった。

 

 

4 thoughts on “キツネとタヌキと人間と

  1. Reply うみ 4月 17,2013 4:25 PM

    小説と同じくらいオルタイムの更新も楽しみにしてます(*^^*)

    • Reply matukak 4月 18,2013 11:33 AM

      松閣です。
      小説も読んでくれてるのですね(TT)ありがとうです。なんだか頑張れそうな気がしますb
      なるべく沢山更新するようにしますぜ。

  2. Reply 匿名 9月 6,2019 9:50 AM

    最近、このブログを知り、楽しんで読ませて頂いてます。(オカルトクロニクルも大好きです。)

    狐と狸が人を騙さなくなって確かに久しいですが、私の亡くなった祖父は若い頃、狐に騙された事があるらしいのです。
    昭和、戦後間もない頃の鹿児島の田舎の話ですが。

    祖父がある夜、単車を飛ばして帰宅した時の事。
    やうやく我が家に帰り着き居間でくつろいで、思わず煙草に火をつけたそうです。
    すると一瞬で家が消え去り、真っ暗な山の中にいたそうです。
    何でも、狐は煙草の匂いが苦手らしく、術がとけたとか。

    祖父は死ぬまで狐に騙されたと信じていました。
    昔はこういう面白い話がゴロゴロありますよね。
    オカルトクロニクルの更新も楽しみにしています。

  3. Reply なお 9月 6,2019 9:51 AM

    狐の話をしたものです。匿名になってしまいました。失礼いたしました。

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