大人の秘密基地

総統閣下、始めました。の巻。


ご無沙汰しております。
松閣オルティアでございます。

久しぶりです。フランス語で言うとオスィサシヴォリ。

講義を始めます。

長文なので忙しい人はスルー推奨。

まず最近、偽名仮名や13月、日記の更新を全くしていなかった理由を述べます。アホほど忙しかったのです。

シフト勤務をこなしながら医療系の資格を取ろうと頑張ってたんですが、専門学校の受験が大変でした。

受験倍率10倍超とか話にならない。話もしてくれない。話もしたくない。破局秒読みのカップルのような状況でした。

んで、スーパータイトなスケジュールを数ヶ月続けて、思いました。

なんだか俺、疲れた。

俺なにやってんだろう。俺は何になれたんだろう。教えてくれ、友よ。
と空しくなったのです。

『いいわけ』ほど長くなる、とどこかの偉い人が言ってましたが本当ですね。

んで本題。

みんな、小さい頃にさ、秘密基地って作らなかったです?

雑木林とか、人気のない場所にさ、段ボールとか廃材で住処つくってさ。

お菓子とかジュース持ち込んでさ。

雨対策にブルーシートを段ボールにかけたりして。

今の時代なら近隣住民の良識ある市民が、行政に「ホームレスが住み着いてるから追い出して下さい」と電話一本入れるぐらい本格的なやつ。

あー。

あの頃に戻りたい。戻って当時の俺に教えてあげたい。

『少年よ。クリリンが死んでも泣くことはない。あれはモリモリ生き返る。サイバイマンより命の価値が薄いのだ』と。

なんで秘密基地ってあんなに楽しかったんだろうなぁ。

やれ『光がないから懐中電灯で照明を作ろう』とか『生活必需品をたくさん持ち込もう』とか、漫画がいる、魚肉ソーセージがいる、ペットも飼おう……とか計画してるだけでワクワクしていましたね。

まぁ光源がわりにロウソクを持ち込んで、あやうく全焼しかけたことは良い思い出だ。

今だから言うが、犯人はタカブーです。

あのデブのファットなケツが燭台を倒したのです。俺は見てました。あいつ今頃何してるだろ?
大人になって、こうしたしょうもないワクワクが無くなってしまったような気がする。

君たちは気付いていないだろうが、やれスロットが高設定だとか、役満つもったとか、しょうもない事なのですよ。

だいたい高設定でも負ける奴は負けるのです。森口さんなんて設定6確定演出を見て負けたほどの猛者であるのだ。

そして設定判別もあいまいな『予測』の域を出る物ではない。本人の望むバイアスを通して「これは6」だの「これは1」だの、止めるor続ける理由を探してる――。

話がダイナミックにそれましたね。

俺は大人になって、なにか大事な物を失ってしまったような気がする。

「大人のクセして」だの「いい大人が」って言われるのが怖くて、紳士的かつ社会的な大人を演じていたような気がする。そしてそれは容易いことだった。

少年時代の頃の俺の目がキラキラしていたかどうかは解らないが、少なくとも今のような腐った魚のような目では無かったはずだ。

そうして大人を演じていたある日、ひょんとした事から俺はある事実を知った。

山林って安い――。

ちょっとした山が100万ぐらいで買える。

なら買おう。買って秘密基地を作ろう。

こうして俺は秘密基地建設予定地のリサーチを始めた。

大人だって以前にはガキだったのだ。

夢をもう一度――。

潤沢、とは言えないが子供の頃よりは資金がある。

スロットやら使う予定のない家電に金をつぎ込むのはもうやめよう。
そういう金は全て秘密基地のために使おう。

そうしてひとつ候補地を絞り、見学に行くことにした。

京都府の山林で1ヘクタールが250万だそうな。

敷地内には沢と小川があり、水源は申し分ない。

川魚の養殖池も作れるかも知れない。塩焼きにしたら美味かろう。
夢が広がリング。

現地写真をごらん頂きたい。
参考図:現地写真
不動産サイト提供の写真を見れば、なかなか良い感じである。

いかにも奥には悪の秘密基地がありそうなかんじ。

右下の椎茸栽培木材が生活感があって安っぽいが。

ここに決めて、不動産サイトの『お問い合わせ』ボタンを押してみる。

『現在メールフォームでの受付を休止中』

多少ショックをうけつつも、俺は決してめげない。
秘密基地の総統になろうとする男がこんな事で諦めるものか。

サイトの説明文にも『予定以上のお問合せをいただいておりますので』と書いてあり、きっと多忙なのに違いない。

俺はそのサイトを運営している会社を割り出し、電話を掛けてみる。

繋がらない。

時間をおいての二度目も繋がらない。

なんじゃこれ。

どうもきな臭くなってきた。

物件の説明欄に、『森林組合が管理』と書いてあったので、その地域を牛耳る京都のとある森林組合に直接電話を掛けてみることにした。

森林組合のひと『はい』

総統 『あの、俺、俺、俺ッすけど、売りに出してある山林についてお話を聞きたいんですけど』

森林組合の構成員『うちじゃ、そういうことやってないんで!』

ガチャリ、で、プープープー。

ふうん、そう?
俺を試すつもりなんだね?

ちょっとショックを受けつつも、俺はめげない。

上記サイトと提携しているという森林組合のなかに、電話を掛けた京都の森林組合名は書かれていない。

もしかしたら、縄張り外の森林組合が圏外から長い手を伸ばしているのかもしれぬ。
俺は提携森林組合である三重県の森林組合に電話を掛けることにした。

ってか、提携森林組合がこの一件だけなんだけどなwwwさみしいwww

で、ところは奈良県、御杖村の森林組合。

こんどは女の人が出て、なんだかとても優しい感じ。個人的にお母さんと呼ばせてもらうことにする。

お母さんのいうことにゃ、上記の不動産サイトはウェブサイトは存在するものの内部的に不動産業から撤退してるんだと。
つまりは廃業してるらしい。

そんで、くだんの京都府の山林は資料もないし、御杖村の森林組合では打つ手無し。だそうな。

俺はショックを受けつつも、ネット社会の問題点を垣間見た気がした。

そんでショックを受けつつも、俺は総統だもんで、やっぱりめげない。

仲介業者が全滅なら、直接地権者と交渉するまでだ。

総統を甘く見てはならん。
総統閣下が直々に重い腰を上げてやるんだぜ!

ネットで情報を集めたところ、山林ってのは『売りたくてウズウズしている地権者』がウジャウジャいるんだと。

でもなかなかニーズがなくて、不動産業者も扱いたがらないらしい。

不動産業者が扱わない=仲介手数料がゼロ。と悪の総統は前向きに考えます。

悪とは言うものの、合法的に土地を手に入れようとしているのが紳士的でイカス。

一刻もはやくログハウスみたいな小屋を建て、そこを拠点に100年は戦えるような基地にせねば。

でも山林って事は、敷地内に生える木材のある程度の伐採をせねばならない。整地もしなきゃ、だな。

秘密基地の場所を知られては秘密基地とはいえんので、業者に頼むことも許されない。
ズブズブの素人でもできるんかな?

でも総統は決して折れない。


次回に続く。

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